時代が変わるとお墓の形も変わります。
これまでは一般的だった墓石を建てる一般墓に代わって、樹木葬の需要が増えてきました。
しかし樹木葬という単語は聞いたことがあるものの、どのような埋葬方法なのか分からない方も多いのではないでしょうか。
この記事では樹木葬とはどのようなお墓なのかを解説していきます。
樹木葬の申込方法や気になる費用についても紹介するので、ぜひ参考にしてください。
目次
樹木葬とは
樹木葬とは墓石を建てずに樹木や草花を墓標としたお墓のことです。
1999年に岩手県の大慈山祥雲寺によってはじめておこなわれました。
当時は墓域に指定されている里山に穴を掘り、遺骨のそばに樹木を植えて埋葬したのがはじまりです。
これが樹木葬の一例目として知られていますが、近隣の里山の自然保全も目的であったことはあまり知られていません。
現在では自然の中で眠れる自然葬の一種として注目されています。
樹木葬の特徴
樹木葬には以下の特徴があります。
・承継者をたてる必要がない
・墓石を建てずに木や草花などを墓標にする
・宗教や宗派が不問の場合が多い
・ほかのお墓と比べると安価
それぞれ見ていきましょう。
樹木葬の特徴1.承継者をたてる必要がない
樹木葬の多くは承継者が不要の永代供養のお墓です。
近年では少子高齢化や未婚率の上昇などで、無縁仏になるケースが増えています。
お墓の承継者が見つからず、墓じまいをしようか悩んでいる方も多いのではないでしょうか。
永代供養はお墓の管理を霊園や寺院などにお任せする仕組みです。
そのため、お墓の承継者がいなくても半永久的に供養をしてもらえます。
永代供養のお墓は樹木葬のほかに合祀墓や納骨堂、永代供養付きの一般墓などがあります。
永代供養墓についてはこちらの記事で詳しく解説しているので参考にしてください。
樹木葬の特徴2.墓石を建てずに木や草花などを墓標にする
樹木葬は一般的なお墓のように墓石を建てません。
その代わり、遺骨が埋葬されている場所にはシンボルツリーや草花などが植えられます。
シンボルツリーとして人気があるのは桜やヤマツツジ、オリーブの木などです。
花が咲いていれば、お墓参りにきた方々の気持ちもうれしくなりますね。
樹木葬でよく選ばれる木の種類はこちらの記事で紹介しています。
樹木葬の特徴3.宗教や宗派が不問の場合が多い
樹木葬は宗教や宗派、宗旨の制限がないケースが多いです。
特に寺院墓地では宗教や宗派の制限がある場合が多いので、制約の少ないお墓を探している方にはうれしいポイントといえます。
樹木葬の特徴4.ほかのお墓と比べると安価
一般墓は数百万円をこえる費用がかかることは珍しくありませんが、樹木葬の費用は合祀型を選択すれば5万円からと安いです。
高価な墓石が必要なく敷地はコンパクトなため、費用がおさえられます。
ただし埋葬する人数や遺骨のおさめ方などで費用は変わるため、詳しい金額は霊園や寺院に問い合わせてください。
樹木葬の種類
樹木葬は立地によって以下の3種類に分けられます。
・自然を活かした里山型
・霊園に区画を設けた公園型
・庭園のようなガーデン型
それぞれ解説します。
樹木葬の種類1.里山型
里山型とは墓域として指定されている里山に遺骨を埋葬するタイプの樹木葬です。
自然が多い場所に埋葬されるため、亡くなったあとは自然に還りたいと考える方に選ばれています。
ただし市街地から離れている場合も珍しくないため、通いやすい場所にあるのかを確認しておくとよいでしょう。
樹木葬の種類2.公園型
公園型とは自然を感じられる工夫がされた区画を霊園や寺院墓地に設け、遺骨を埋葬するタイプの樹木葬です。
里山型と比べて立地のよい場所にある場合が多いため、お墓参りがしやすい点がメリットといえます。
また施設自体が整備されており、故人やご先祖様の埋葬されている場所がわかりやすいです。
ただ、里山型を比較すると自然が少ないと感じるかもしれません。
樹木葬の種類3.ガーデン型
公園型よりもコンパクトな区画に遺骨を埋葬するスペースを設けているのがガーデン型です。
草花が植えられていて色とりどりな様子が好評です。
樹木葬の中では費用が高くなる傾向があります。
樹木葬の埋葬方法
樹木葬の埋葬方法は下記の3種類が一般的です。
・合祀型
・集合型
・個別型
樹木葬の埋葬方法1.合祀型
合祀型とは骨壺から遺骨を取り出し、ほかの方と一緒に混ぜる埋葬方法です。
墓標代わりの樹木の下に遺骨が埋葬されます。
樹木葬の中では安価な料金で永代供養できるため、費用をおさえたい方におすすめです。
しかし遺骨をほかの方と混ぜてしまうため、あとから取り出すことはできません。
樹木葬の埋葬方法2.集合型
集合型とは個別のスペースが設けられており、遺骨が混ざらないようにおさめられます。
シンボルツリーは個々に用意はされないものの、埋葬されている場所が分かりやすいため、費用をおさえつつ個別でお墓参りしたい方におすすめです。
なお、一定期間が経過したあとの遺骨は合祀墓にうつされます。
樹木葬の埋葬方法3.個別型
個別型とは個別のスペースに遺骨をおさめる方法です。
個別型の遺骨は骨壺に入れた状態で埋葬する方法や、布袋にうつして埋葬する方法などがあります。
ひとりひとり専用のスペースを用意する必要があるため、3つの埋葬方法の中では最も費用が高くなります。
しかし、一般的なお墓のようにお参りができる点が好評です。
集合型と同じように、一定期間が経過したあとの遺骨は合祀墓にうつされます。
樹木葬の費用
樹木葬の費用は埋葬方法によって異なります。
こちらを参考にしてください。
樹木葬の費用内訳
樹木葬にかかる費用の内訳はこちらです。
・永代使用料：お墓を利用する際にかかる墓地の使用料
・埋葬料：遺骨を埋葬する際にかかる
・彫刻料：シンボルやプレートにかかる
・維持管理費：霊園や寺院墓地の維持管理に使われる
樹木葬の申込方法
樹木葬の申込方法は以下の手順でおこないます。
1.どこの墓地にするか情報収集する
2.現地見学をする
3.契約と入金をおこなう
4.使用許可証を受け取る
樹木葬は生前契約が可能です。
終活を意識したタイミングで検討してはいかがでしょうか。
基本的には一般的なお墓の申し込み方法と同じです。
1.どこの墓地にするか情報収集する
樹木葬が気になったらまずは情報を集めます。
どこで樹木葬がおこなわれているのか、交通アクセスは便利か、費用はどのくらいか、などをチェックするとよいでしょう。
近年ではインターネットでの検索が主流です。
たとえば「福岡 樹木葬 費用」「福岡 樹木葬 交通アクセス」などのように検索キーワードを入力すると、条件にあった墓地が表示されます。
問い合わせフォームを設けている霊園も多いため、気になった場合は問い合わせてみましょう。
2.現地見学をする
いくつかの候補の中から気になった霊園が見つかったら、現地を見学しに行きましょう。
あらかじめ見学予約を入れておくとスムーズです。
ホームページやパンフレットだけでは分からないことがたくさんあります。
必ず自分の目で見てください。
雰囲気はどうか、家からアクセスしやすい場所にあるか、どのようなプランがあるのか、などを確認しておきましょう。
分からないことや聞きたいことがあれば、スタッフに質問してください。
3.契約と入金をおこなう
現地を見学し、樹木葬の内容に納得できるようなら契約と入金をおこないます。
その場で申し込みができる霊園もありますが、できれば一度帰宅してからじっくりと考えて決めるとよいでしょう。
4.使用許可証を受け取る
墓地側で入金の確認がとれたあとに使用許可証が発行されます。
使用許可証は大切なものなので、失くさないように保管してください。
樹木葬の埋葬の流れ
埋葬までの流れも申込方法と同じように一般的なお墓の流れと変わりません。
埋葬の流れは下記のとおりです。
1.死亡届を提出する
2.通夜と葬儀をおこなう
3.火葬する
4.埋葬する
1.死亡届を提出する
死亡を確認したあとは死亡届を7日以内に提出します。
提出先は故人の住所地や所在地の市役所や区役所、役場などです。
死亡届を提出すると火葬許可証が発行されます。
火葬許可証がないと遺体の火葬ができません。
2.通夜と葬儀をおこなう
故人が亡くなった日に仮通夜、翌日に通夜をおこないます。
通夜の翌日に葬儀をおこなうのが一般的な流れです。
3.火葬する
火葬が終わると火葬場から埋葬許可証が渡されます。
埋葬許可証は遺骨の埋葬に使う書類なので、大切に保管しておいてください。
4.埋葬する
埋葬日は遺骨を持参してください。
遺骨の埋葬には埋葬許可証が必要なので、忘れずに持っていきましょう。
霊園や寺院墓地によっては、遺骨を埋葬するにあたって事前に粉骨しておく場合もあります。
埋葬日は遺骨をどのような状態にしておけばよいのかは、必ず確認しておいてください。
まとめ
樹木葬は墓石の代わりに樹木や草花を墓標としたお墓のことです。
承継者をたてる必要がなく、宗教や宗派を問われずに利用できるケースが多いです。
樹木葬を利用する方は年々増えており、今後も利用者が増えていくことが予想されます。
樹木葬の特徴や費用などを把握して、自分に合っているお墓なのかを確認しておくとよいでしょう。
福岡の油山平成御廟では樹木葬の区画を設けています
福岡の油山平成御廟では敷地内に樹木葬の区画「こだまの杜」を設けています。
こだまの杜は個別で埋葬する樹木葬で、3つのプランをご用意しております。
埋葬人数やシンボルなどに違いがあるので、きっと希望のプランが見つかるでしょう。
福岡はもちろん、九州で樹木葬を探している方はスタッフまでお気軽にお問い合わせください。
こちらから『こだまの杜』のホームページにアクセスできます。
https://kodama-mori.com/
