土葬された遺骨は改葬できる?手続きや注意点を解説します

近年ではライフスタイルやお墓に対する考え方の変化により、お墓の引っ越しを考える方が増えてきました。

お墓の引っ越しは『改葬』とよばれ、埋葬されている遺骨を取り出して、ほかの場所に移動させることです。

 

現在ではほとんどの方が火葬されていますが、昔は土葬が一般的でした。

もし土葬された方の遺骨の引っ越しをしたい場合、改葬は可能でしょうか?

 

この記事では土葬された遺骨は改葬できるのか、また手続きや注意点などを解説します。

土葬とは

土葬とは遺体を火葬せずに、そのまま土に埋葬して自然に還す方法です。

 

土葬は火葬と比べると、埋葬するスペースが必要です。

日本では高度経済成長により人口が急激に増え、都市部に埋葬するスペースがなくなったため、現在の火葬に代わったとされています。

 

土葬された遺体はゆっくりと肉がなくなっていき、骨だけになります。

日本の土は酸性に近いため、100年ほど月日が経過すると骨も土に還るそうです。

 

ただし、骨が土にすべて還っているかを確認するすべはなく、実際に土を掘ってみないと分かりません。

土葬された遺骨の状態で手続きが異なる

土葬された遺骨の状態によって、手続きの方法が異なります。

 

遺骨が残っている場合は改葬の手続きが必要です。

行政機関に申請してください。

 

遺骨が土に還っていて、見つからない場合は改葬の手続きは不要です。

遺骨があった場所の土を持ち帰り、遺骨の代わりにしても構いません。

土葬された遺骨が見つかったときの注意点

遺骨が残っている場合は、火葬の手続きが必要なケースが考えられます。

これは納骨をする際、土葬の受け入れはせずに、必ず火葬された遺骨でなければならないという取り決めがされている場合があるからです。

 

改葬先の霊園や寺院墓地に、土葬の遺骨の受け入れは可能かどうかの確認をしておきましょう。

 

また、土葬されている遺骨には多くの土が付着しています。

火葬場に遺骨を持ち込む際、遺骨に付いた土は取り除くようにと言われることがあります。

 

遺骨に付着した土はなかなか落ちません。

また遺骨の扱いは丁寧に行う必要があるので、専門の業者にお願いした方がよいでしょう。

 

きれいに洗浄してもらったあとは、しっかりと乾燥させてから火葬場に持ち込んでください。

改葬の手順

改葬の手順は以下のとおりです。

 

1.墓地管理者に相談する

2.納骨先を決める

3.改葬許可申請書を入手する

4.埋葬証明書を発行してもらう

5.改葬許可証を受け取る

6.閉眼供養と墓石の撤去を行う

7.取り出した遺骨を新しい場所におさめる

 

順番に解説していきます。

改葬の手順1.墓地管理者に相談する

まずは墓地管理者に改葬を考えている旨を相談します。

改葬の手順2.納骨先を決める

新しく遺骨をおさめる納骨先を決めます。

 

新しい納骨先は下記の選択肢が考えられます。

 

・樹木葬

・納骨堂

・新しくお墓を建てる

 

納骨先を決めると『受入証明書』が発行されるので、大切に保管してください。

 

納骨先のお墓の種類はこちらの記事で詳しく解説しています。

【お墓の基礎知識まとめ】お墓の購入から管理までの流れを解説

改葬の手順3.改葬許可申請書を入手する

現在お墓がある市町村の役所で『改葬許可申請書』を入手してください。

 

なお、土葬は昭和初期以前に行われていた方法なので、埋葬されている方の名前が分からないことも考えられます。

もし名前が分からなければ、不詳で提出して構いません。

改葬の手順4.埋葬証明書を発行してもらう

現在のお墓の管理者に『埋葬証明書』の発行をお願いします。

改葬の手順5.改葬許可証を受け取る

これまでの手順で発行してもらった以下の3つの書類

 

・受入証明書

・改葬許可申請書

・埋葬証明書

 

こちらを現在のお墓がある市町村に提出すると『改葬許可証』が発行されます。

改葬の手順6.閉眼供養と墓石の撤去を行う

僧侶による閉眼供養を行ったあとは、遺骨を取り出します。

その後は墓石を撤去して更地にします。

 

土葬の場合は閉眼供養のあと、遺骨の掘り出し作業が行われます。

カロートにおさめられている遺骨を取り出すよりも、費用がかかるケースが多いです。

改葬の手順7.取り出した遺骨を新しい場所におさめる

開眼供養を行ってから、遺骨をおさめます。

 

改葬についてはこちらの記事で詳しく解説しています。

改葬とは?必要な手続きと手順を解説します



まとめ

土葬された遺骨は改葬できます。

ただし、遺骨の状態により手続きが異なります。

 

土を掘りおこした際、遺骨や遺体の状態で見つかれば、改葬の手続きが必要です。

もし遺骨が土に還っており何も見つからなければ、改葬の手続きは必要ありません。

 

なお、遺骨が残っている場合は火葬の手続きが必要なケースが多いです。

これは霊園や寺院墓地では土葬だと納骨できないという決まりがあるため、火葬しなければ受け入れができないからです。

 

不明な点は納骨先に確認しておくとよいでしょう。

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この記事を監修した人

株式会社江戸や 福岡支社 営業部部長
大塚勝俊

2003年に株式会社江戸やに入社。以来、20年以上にわたり、霊園管理やご供養に関する深い知識と経験を積み重ね、多くの顧客から高い信頼を得ています。

伝統と格式を重んじながらも、供養する人もされる人も安心できる多様なサービスを提供し、現代のニーズに対応した新しい供養の形を追求しています。