お墓の種類は何がある?それぞれの特徴は?

 

お墓は故人を弔うために遺骨を納める場所です。

従来はお墓というと和型の一般墓をイメージされる方が多いと思われますが、現在はお墓も多様化が進んでいるのをご存じでしょうか。

この記事ではお墓の種類とそれぞれの種類の特徴をご紹介します。

・自分のお墓を探したいけど、どのような種類があるのかわからない
・お墓の特徴を知って、お墓選びの参考にしたい

などでお悩みの方に役立つ情報をまとめましたので参考にしてください。

 

一般墓

 

一般墓は昔からある伝統的なお墓の形です。

家族や親戚などの一族単位で利用し、先祖代々受け継がれていきます。
一族の本家の長男が引き継いで管理する場合が多いのですが、特に決まりはありません。

お墓の所有権の持ち主が指定した人物であれば、親族以外でも引継ぎが可能です。

一般墓には3種類あります。

 

和型

 

馴染みのあるお墓といえば和型でしょう。

仏舎利塔を原形にしているといわれており、芝台、中台石、上台石、竿石の4つの石を重ねて構成されています。

お墓の土台になる部分は芝台です。
必ず設置しなければいけない部分ではありませんが、一般的には設置しています。

お墓の高さを出したいときや、見栄えを良くしたいときに設置するとよいでしょう。

芝台の上に乗せるのは中台石です。
家紋などが彫刻される場合があります。

中台石の上に乗せるのは上台石です。
竿石を支える部分になります。

お墓の一番上に設置されるのが竿石です。
長方形の高さがある石で、墓標が彫刻されます。

 

洋型

 

近年、霊園でよく見られるようになってきたのは洋型です。

スタイリッシュなデザインは人気を集めています。
和型と比べて横に広く、背が低いのが特徴です。

竿石に刻む文字は決まりがなく、故人の想いを形に残せます。

死生観の変化に伴う、現代に適した形といえるでしょう。

 

デザイン墓石

 

デザイン墓石とは和型や洋型に区分されない、独自デザインの墓石のことです。

世界にひとつだけのオーダーメイドデザインや、従来のデザインにアレンジを加えたセミオーダーデザインがあります。
故人の思想を表現できるため、型にはまらないお墓を求めている人におすすめです。

 

樹木葬

 

樹木葬とは墓石を建てずに、樹木や草花などの自然を墓標とするお墓のことです。

樹木葬の歴期は浅く、1999年に岩手県の大慈山祥雲寺(現在の長倉山知勝院)によって行われたのがはじまりといわれています。
遺骨のそばに樹木を植えていき、里山の保全も兼ねた画期的なものでした。

現在の樹木葬は多様化しており、一目では樹木葬だとわからないものもあります。

樹木葬は立地によって2種類に分けられます。

 

里山型

 

里山の自然を活かした環境に遺骨を埋葬するのが里山型です。

都市部から離れた場所にある場合も多いため、参拝に行くには大変ですが自然に還りたいと願う人の希望に応えられます。

埋葬する際に樹木を植えるため、山林の保全にもつながり環境に優しいです。

 

公園型

 

霊園に樹木葬の区画を設け、自然が多い公園のような環境で樹木葬を行うのが公園型です。

里山型と比べてアクセスが便利な点と、施設が整備された環境で管理される点が特徴といえます。
しかし自然に還るという点については、里山型の方が感じられるでしょう。

 

納骨堂

 

納骨堂は寺院や霊園などの建物に遺骨を収めるお墓のことです。

納骨堂にはたくさんのスペースが設けられており、多くの遺骨を収蔵できます。
また屋内にあるため、天候に左右されずにお参りができる点も便利です。

しかし特に墓地を確保しづらい都心部においては人気が高く、入れない場合も珍しくありません。
核家族化が進む現代においては、ますますニーズが高まっていくでしょう。

納骨堂にはさまざまな種類がありますが、その中でも主なタイプを2種類紹介します。

 

ロッカー式

 

納骨堂では一般的な形がロッカー式です。

コインロッカーのように並べられたロッカーに納骨します。
使用するスペースによって費用が異なりますが、納骨堂としては安価に利用できるため人気が高いです。

 

仏壇式

 

上段に仏壇、下段に納骨スペースが設けられているのが仏壇式です。

1人用から夫婦、家族用などさまざまなタイプがあるため、納骨したい人数に合わせてスペースを選ぶとよいでしょう。
位牌やお供え物なども置けます。

 

自動搬送式納骨堂

 

参拝ブースの機械にICカードをかざすと、自動的に骨壺が運ばれてくるのが自動搬送式納骨堂です。

スペースの有効活用ができるため、都市部を中心に拡がりをみせています。
アクセスのよい場所に造られる場合が多く、仕事帰りなどにも立ち寄りやすいのが特徴です。

 

永代供養墓

 

お墓を管理する後継者がいなくなった場合でも、墓地を管理する寺院や霊園が供養を行ってくれるのが永代供養墓です。

家のお墓に入りたくない方や単身者、一代限りのお墓に入りたい方に選ばれ得る傾向があります。

永代供養墓には3種類あります。

 

合葬(合祀)

 

永代供養墓の最も多いタイプが合葬です。

ひとつのスペースに遺骨をまとめて埋葬します。
ほかの人と同じお墓に安置されるため、『合同墓』とも呼ばれます。

一度合葬すると遺骨は取り出せなくなるので、注意してください。

 

個別安置型

 

従来の一般墓と同じように、骨壺を個別のスペースに収めるのが個別安置型です。

一般墓と同じような感覚でお参りができるのが特徴といえます。
17年、33年と一定の期間が過ぎたあとは遺骨を合葬します。

 

集合安置型

 

個別の骨壺を専用のスペースに収め、石碑や石塔を建てるのが集合安置型です。

合葬と異なり遺骨はほかの人とまとめられないため、将来的には改葬を考えている方に向いています。

 

まとめ

 

お墓は大きく分けて5種類あります。

  1. 昔からある伝統的な一般墓
  2. 樹木や草花などの自然を墓標とする樹木葬
  3. 寺院や霊園などの建物に遺骨を収める納骨堂
  4. ICカードをかざすと参拝ブースに骨壺が運ばれてくる自動搬送式納骨堂
  5. 墓地を管理する寺院や霊園が供養を行ってくれる永代供養墓

これまで主流だった一般墓のほかに、樹木葬や納骨堂など時代の変化とともにお墓も形を変えてきました。
核家族化や独身者の増加、高齢化社会などの要因で、お墓に求められる要素はこれからも変化していくでしょう。

お墓の種類を知ることで自分に合ったお墓選びの参考になります。

 

自分はどのようなお墓に入りたいのか、後継者はいるのかなどを考えた上で、最適なお墓を見つけてくださいね。

 

この記事を監修した人

株式会社江戸や 福岡支社 営業部部長
大塚勝俊

2003年に株式会社江戸やに入社。以来、20年以上にわたり、霊園管理やご供養に関する深い知識と経験を積み重ね、多くの顧客から高い信頼を得ています。

伝統と格式を重んじながらも、供養する人もされる人も安心できる多様なサービスを提供し、現代のニーズに対応した新しい供養の形を追求しています。