今の日本は世の中の変化が速くなっており、ライフスタイルも変わってきました。
引っ越しや管理者の高齢化などのさまざまな要因によって、お墓に行きづらくなってしまう方も多いのではないでしょうか。
そこで選択肢のひとつとしてあげられるのが『改葬』です。
しかし、改葬という言葉は聞いたことがあるものの、どんな内容なのか分からない方もいらっしゃるかと思います。
この記事では改葬について解説します。
・改葬とは何をするのか気になる
・改葬を検討しているものの、どのような手続きをすればよいのか分からない
などの疑問や悩みを解決する情報をまとめましたので、参考にしてください。
改葬とは
改葬とは一言でいうと、お墓の引っ越しのことです。
現在埋葬されている遺骨を取り出し、ほかのお墓に移動します。
何らかの事情によってお墓に行くのが難しくなった場合、改葬して家の近くに遺骨を移せば管理しやすくなります。
改葬は年々増えている
厚生労働省が公開している『衛生行政報告例』によると、改葬件数は年々増加傾向にあります。
直近の3年間を見てみると
2019年:124,346件
2018年:115,384件
2017年 :104,493件
でした。
出典:厚生労働省 『衛生行政報告例』
改葬が増えている理由
なぜ改葬が増えているのでしょうか。
その理由として考えられるのは、以下の2点が原因と言われています。
お墓まで通いにくくなった
若いときはお墓が遠くにあっても問題なく行けた方も、年齢を重ねるにつれて墓地まで行きにくくなってしまいます。
また、引っ越しに伴いお墓から離れてしまった方も、お墓参りが大変です。
この場合、お墓を管理しやすくするために、自宅の近くで改葬します。
後継者がいない
お墓は後継者がいなければ、いずれは管理費の支払いが滞ります。
一定期間支払いが行われないと、無縁仏とみなされてしまうのです。
無縁仏にならないために、永代供養を選ぶ方もいます。
永代供養は遺骨の管理や供養を霊園や寺院墓地などにお願いできるので、安心できる供養方法といえるでしょう。
永代供養についてはこちらの記事で詳しく解説しています。
永代供養とは?気になる費用やメリット・デメリットを紹介します
改葬の手続きと流れ
改葬の手順や流れは以下の流れで進めます。
①家族や親族に相談する
②墓地管理者に相談する
③納骨先を決める
④改葬許可申請書を入手する
⑤埋葬証明書を発行してもらう
⑥改葬許可証を受け取る
⑦閉眼供養と墓石の撤去を行う
⑧取り出した遺骨を新しい場所におさめる
それぞれ見ていきましょう。
①家族や親族に相談する
まずは改葬を考えていると家族や親族に相談してください。
改葬は現在あるお墓から遺骨を取り出す、重要な作業です。
もし了承を得ないまま進めてしまうと、のちのちトラブルに発展するかもしれません。
②墓地管理者に相談する
これまでお世話になった墓地管理者に、改葬を考えていると相談してください。
特に先祖代々お世話になってきた墓地の場合は、急に改葬すると伝えてしまうと困惑してしまうかもしれません。
これまでの経緯や考えなどを伝え、お互いが納得できるように話を進めていきましょう。
③納骨先を決める
改葬先をどこにするのか決めます。
納骨先の情報はインターネットでも手に入りますが、気になる霊園は一度現地に出向き、どのような場所なのかを確認しておくと安心です。
改葬先を決めて契約すると、『受入証明書』が発行されます。
のちほど必要になるので大切に保管してください。
お墓探しのポイントなどはこちらの記事で詳しく解説しています。
④改葬許可申請書を入手する
お墓がある市町村の役所に出向き、改葬許可申請書を入手してください。
入手する際、500円から千円ほどかかる場合があります。
しかし、地域や自治体によっては無料の場合もあります。
⑤埋葬証明書を発行してもらう
現在のお墓の管理者に埋葬証明書を発行してもらいます。
⑥改葬許可証を受け取る
・受入証明書
・改葬許可申請書
・埋葬証明書
上記の3種類の書類をそろえた上で、現在のお墓がある市町村に提出すると、『改葬許可証』が発行されます。
⑦閉眼供養と墓石の撤去を行う
『改葬許可証』が発行されると、いよいよ遺骨の取り出しを行います。
墓石にはご先祖様の霊や仏さまが宿っていると考えられているため、閉眼供養と呼ばれる儀式を行うのが一般的です。
僧侶を招いて読経してもらうことで、普通の石に戻します。
その後、遺骨を取り出して墓石の撤去を行います。
⑧取り出した遺骨を新しい場所におさめる
新しいお墓に遺骨をおさめる前に、開眼供養を行います。
開眼供養のあとに遺骨をおさめて改葬は終了です。
まとめ
改葬とはお墓の引っ越しのことです。
少子高齢化などが原因で改葬は年々増加傾向にあり、これからも増えていくでしょう。
改葬はやることが多く、大変だと感じるかもしれません。
しかし、この記事を参考にして進めていけば、スムーズに手続きができます。
周囲の意見も取り入れつつ、改葬するのかを決めてください。
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